学校法人湘央学園浦添看護学校

老年看護学概論は１年生で学習する内容となり、私は看護倫理の講義を担当しています。

サラＴ．フライ、メガン-ジェーン・ジョンストンはその著Ethics in Nursing Practiceで「倫理に適った看護を実践していくためには、看護上の価値や対立を判断できる倫理的感受性を高めること」と述べています。臨床では看護実践に内在する倫理は山ほどあります。自分にしてほしくないことを他人にするのは倫理の基本に最も反することです。学生が技術練習時に実践している、処置時にカーテンを引くこと、コミュニケーションを行うときに相手の顔を見て話すこと、相手の意向を確認すること、無菌操作を行う意味など、演習で行っている学習も看護倫理に深く関与しています。病院で行われいることに違和感や疑問を感じたらそれを見過ごさず、相手の立場になって考えることのできる生活者としての感覚を持ち続けたいものです。倫理的感受性の低下は、人間の尊厳を傷つけます。そうならないためにも「看護とは何か」「看護師とは誰か」を問い続けられる学生であてほしいと思います。